刺繍を習っている。

2011年。 山手の西洋館はクリスマスになると色々イベントが行われ、白い苔を使って作るリース作りに参加した。

時間が早かったので、他の西洋館を見て回った時、お部屋をすべて刺繍で飾っている館に出会った。 素晴らしくて声も出ない。

刺繍には全く興味がなかったが、先生にお会いして、目が合ったとたん、「教えていただきたい」 と口から出ていた。

「もう年だから・・・」と最初は断られてしまったが、お部屋を往復するたびにお願いしたため、「5人集めてくださったら伺います」との返事を得た。 粘れば希望が叶えられるものなのね・・・と変なほめ方をされたが・・・・

 

我が家で『水鳥先生刺繍教室」が始まったが、その難しさを知らない我々は、「あれもやりたい、これもやりたい・・・」

まずはクリスマスツリーのブローチ作りから始まったのだが、難しい事、難しい事。先生自体も、我々がこんなに出来が悪いとは思われなかったようだ。 刺繍はクロスステッチなので、そんなに難しいはずはないのだが・・・・と、首をかしげておられた。

 

しかし、やはり時間が経てば皆もそれなりに・・・メンバーも何人か脱落したが、新しいメンバーが加わり、笑い声の絶えない楽しいクラスとなった。 水鳥先生のお嬢さんがフランスに住んでいらっしゃるので、一年に一回はフランスへ行って、勉強してくるので、そのセンスは素晴らしかった。 

 

やはり山手の外交官の家でクリスマスデコレーションをしたときは、我々の作品も飾られ、見に来られた方々は全ての刺繍がクロスステッチであることに驚かれていた。以前の私と同様に、習いたいと先生に交渉していらした方がいたが、無理という事で残念がっていらした。

我々の作品も、それなりだったのだ・・・

 

春にはやはり、外交官の家で、春のおもてなしという事で、春の花々を主にしたデコレーションをした。紅茶やherb tea

をしまっておく箱、もう私の宝物の域である。

 

しかし残念な事に、先生のご主人様がご病気になり、先生自身も80歳を超えれれたので、お教室は解散した。

 

続きが起こった 

 

今度は絵の先生、桜井さんが、「マミーが好きそうな方を知っているから紹介してあげる・・・」と、家に連れて行ってくださった。 家じゅう刺繍だらけ、しかもクロスステッチで水鳥先生とは違う素晴らしさ。 外国生活が長かったとかで、おもてなしも素晴らしい! 

勿論飛びついてしまい、それに、水鳥先生時代の友人達も再び加わった。

今回は、刺繍も素晴らしいのだが、おけいこが終わった後、先生手作りのケーキでもてなされる。 刺繍だけではなく、ケーキも習いた~い。

私がレモンパイが好きで、最近レモンパイを売っているお店が少ない…と話したら、次はレモンパイが出された、お紅茶には、お砂糖の代わりにリンゴのジェリーが添えられている。

このりんごのJerryの作り方であるが、8個ぐらいのリンゴを3~4時間にて、一晩かけて濾し、翌日お砂糖を入れて煮詰めるのだが、固まらせるタイミングが難しい。究極に煮詰めたのが「みすず飴」なのだそうである。  刺繍以外に習うことが沢山ありそうな素敵な先生である。 絵画の話、音楽の話、それも軽音楽からクラッシックまで、さらに映画の話。先日はお料理に使うお出汁の話に花が咲いた。

 

人との出会いは素晴らしい。 一人っ子の上に、従姉妹もいない私にとっては友人は大切である。学生時代の友人は今や姉妹みたいであり、又テニス時代やブリッジ時代を通して、素晴らしい人達に恵まれ、楽しい時間を過ごさせてもらったせいか、ダデイーの看病をしていて、色々な事から離れてしまっているが、まったく苦にならない。 今まで自由にさせてくれていたので、逆にダデイーに感謝である。が、本人には絶対に言わない!

 

ダデイーの看病中に、クリスマスに飾ろうと思っていたクッションんがやっと仕上がった。勿論刺繍のおけいこは続ける!